歯の黄ばみやくすみは、歯自体の変質や汚れが原因なのではなく、歯の表面に付着したステインが原因です。
歯のエナメル質部分にイオン結合した食べ物や飲み物やたばこのヤニなどの汚れは、通常の歯磨き粉では取り除くことができません。
そんな黄ばみをなんとかしようと激落ちくんなどの市販のメラミンスポンジやホワイトニングスポンジを使って歯の表面をこすって白くしようとする人がいますが、これは実はとっても危険!!
今回はホワイトニングスポンジを使わない方が良い理由をご説明していきましょう。
目次
簡単&手軽?ホワイトニングスポンジ
激落ちくんなどのメラミンスポンジは、キッチン等では頑固な汚れを落とす強い味方!
だから歯のホワイトニングにも…と安易に考えて使う人が多いのですが、それは非常にリスクが高いホワイトニング方法です。
実は固いメラミンスポンジ
メラミンスポンジは、メラミン樹脂(プラスチックの一種)を、非常に細かく発泡させたものです。とっても細かい穴が開いていて、その部分に汚れがひっかかり、削り取ってくれます。
そんなメラミンスポンジは触ってみると弾力があって柔らかく感じますが、モース硬度(Mohs hardness)とよばれる硬さの尺度で分類すると、モース硬度4前後。
一方、人間の歯はモース硬度7前後であり、水晶と同程度。これは人間の歯の表面を覆っているエナメル質の硬さであり、人間の身体の中で最も硬い組織と言われています。
しかし、そんな硬いエナメル質も、虫歯菌が酸によってエナメル質を溶かしてしまう脱灰(虫歯)には弱く、どんなに硬いエナメル質も脆くなってしまいます。
また、普段から寝ている間に歯ぎしりをしている方、スポーツやストレスで歯をかみしめる癖がある方、硬い食べ物ばかりを好んで食べる方、研磨剤入りの歯磨き粉でごしごしと強く歯磨きをしている方、歯をぶつけた方など、歯に瞬間的もしくは恒常的に強い圧力や衝撃を与えると硬いはずのエナメル質もそのままではいられません。
そんなトラブルを抱えた状態のエナメル質をメラミンスポンジでこすってしまうと、歯の表面に付着したステインだけでなく歯そのもの(エナメル質)を削ってしまうことに。さらに歯は弱く脆くなり、余計に歯の内部の黄色っぽい象牙質の色が目立つようになってしまいます。
また、メラミンスポンジで表面を削り取ることで歯の表面はツルツルになったように見えますが、じつはザラザラになっています。
微細な傷の多い歯の表面には汚れが付着しやすくなり、一時的にメラミンスポンジできれいになったように見えて、逆に汚れが付着しやすい状態を作ってしまうという悪循環を引きおこしてしまいます。
実は有害?ホルムアルデヒドの危険
メラミンスポンジは、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合で作られる合成樹脂で、別名「メラミンホルムアルデヒド樹脂」といいます。
ホルムアルデヒドはシックハウスやシックスクールなどでご存知の方も多い、非常に有害な成分。化学変化で作られ別の物質になったといっても、やはりホルムアルデヒドが残留しているおそれがあります。
歯をこするだけといっても、口内にメラミンスポンジを入れることでその成分が吸収されてしまうと、深刻な問題を引きおこすおそれも否定できません。
実はデメリットしかないホワイトニングスポンジ
上記のことから、メラミンスポンジで歯の表面を強引に削ってホワイトニングすることは非常にリスクが高く、その場しのぎのホワイトニングでしかならないことはお分かりいただけたことでしょう。
しかも、メラミンスポンジで削った歯は、エナメル質が薄くなり黄色っぽい象牙質が透けやすくなってさらに黄ばんでみえるようになるだけでなく、歯の表面のざらつきが悪化して汚れがさらに付着しやすくなるということに。
その結果、また黄ばみが目立つからとメラミンスポンジでごしごししてしまうという最悪のサイクルを引き起こしかねません。
簡単にできるホワイトニング方法ですが、問題をさらに深刻化させるだけなので絶対にやめましょう。
スポンジよりもホワイトニング歯磨き粉
即効性を感じられても実は最悪のその場しのぎでしかないメラミンスポンジでのホワイトニング。
それよりも、本当に歯のことを考えるなら、歯に付着したステインを引きはがし、歯本来の色を取り戻しつつ、歯のエナメル質を強化してくれるホワイトニング用歯磨きを使った方が良いですよ。
おすすめのホワイトニング歯磨き粉は「おすすめのホワイトニング歯磨き粉(研磨剤なし)TOP3はコレ!」で紹介していますので参考にどうぞ。
まとめ
歯の表面についた汚れなら、メラミンスポンジでこすり落とせばいいと安易に考えて実行するのは非常に危険です。
一時的に白くなったかのように錯覚しますが、結果的には歯を脆くさせる上に、さらに黄ばみやすい状態にしてしまうので絶対にやめるようにしましょう。
それよりも、即効性はありませんが歯の表面のステインを取り除く成分を配合したホワイトニング用歯磨き粉を使いホワイトニングしつつ、歯の補修や口内環境の改善に取り組んだ方が歯にとっても良い結果となるはずです。